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京都から帰って少々くたぶれて二三日ブラブラしたがもはや平常通り快復、学芸大学で話しをする原稿を少しづつ書いて今日は漸く書終りました どうせどこまで行っても駒込だより調であります 当日は林武と一所に講演する(小生は講演などとはいはず常に話しちいってゐる)様子 何しろ画壇の大将 一号二十万とやら三十万とやらいふ人だから相手に不足はありません…京都では大本教の一家を訪れましたが教主は不在でした 之は歌人で小生のことをよく知ってゐる由、それから苔寺へゆきましたところ新造の室の床の間へ何かかけといふことなれど 襖は一面に堂本印象の金と黒でかいた抽象画の勇ましい奴故 大きな字でもかくとよいと思ふけれども…琵琶湖の友人の別荘で二三の歌友と共に月を見ました 皎皓々たる満月でした、その歌を歌碑にすると待ち構へてゐるので
▲近江のうみ月てり渡るさざなみの近江のうみに月てり渡る
之がよいと満場一致 S41・11・10

滋賀県滋賀町 南光別邸の歌碑 昭和41年