2009年8月アーカイブ

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「没後20年経っても比庵の名が残るなら、わしの芸術も本物といえるだろう」と、比庵は生前に、娘の明子に語ったという。戦前戦後の激動期を通じて、歌を詠み、画を愛し、そして書を愉しんだ文人比庵の芸術が、没後34年目の今日再び注目を集めている。

近年では、平成19年「日本橋・小津ギャラリー」、平成20年「青梅・玉堂美術館」「金沢・二十世紀美術館」に続き、今年11月には、「調布市・深大寺」に於いて「深大寺・清水比庵展」が開催される。さらに、期を前後して、岡山市吉備路文学館・笠岡市竹喬美術館・高梁市比庵記念館等でも「清水比庵展」が企画され、比庵の名は広く伝えられている。

社会状況の厳しい現代においては、日本人の心を取り戻す方法として、比庵の作品に触れることも一方法かと思われる。清貧の中で培った自分力を信じつつ、92歳の生涯を「書・画・歌」三芸に生きた比庵芸術の一端に触れていただければ幸いである。

               ☆

ギャラリートーク(深大寺本堂 1300-)

  1126日(木)   秋葉貴子(短歌結社・窓日編集長)...「比庵と窓日」

 

  1127日(    

    

         13:00   張堂完俊(深大寺住職)「深大寺と比庵」 

          

            13:30    笠嶋忠幸(出光美館チーフキュレーター) 「比庵の時代 ]    

      

            1400   清明子氏(比庵の長女)「父比庵を語る」

    

  1128日(土)  浜崎道子(画家・比庵研究家) [比庵の絵手紙 ]

 

  1129日(日)  Mr.ホースバラ(画家)「外国人から見た比庵」

 

    (ギャラリートークは、都合により変更する事があります。)

 

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                      半天は雲厚くあり 半天はわが朝顔の 花より碧し   比庵九十

 

 

深大寺・清水比庵展開催!!

 平成21年11月26日ー11月29日    

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 門前の蕎麦はうましと誰もいふこの環境のみほとけありがたや 比庵九十二

                      

  

 深大寺歌碑               

東京調布市深大寺にある清水比庵の歌碑は、昭和49年比庵が主宰する短歌結社「窓日」四十五周年記念に建立された比庵92歳の生前最後の歌碑である。 

比庵歌碑は全国処々にあるが、深大寺の歌碑は生活の本拠とした東京の歌碑として特別な思い入れの歌碑といえる。歌碑歌は深大寺を詠んだものだが、同時に深大寺の御本尊さまに「窓日」の将来を祈願する意味を忍ばせて「みほとけありがたや」と詠い、末永く拠標のようなものにしたいという、比庵の意気込みの強く表れた歌碑である。比庵の随筆を紹介する。

 

【作者の小生にしてみれば、之は小生の芸術作品の重要なる一つであって、歌も書も小生の芸術として天下に問ふとうふ意気込みを以ってつくったものであるが、歌碑の場合は、それに加えて、その材料の石と石工の技量とを揃えねば芸術作品とならぬ、その石はわがふるさと岡山県高梁山中にうもってゐた大石を自然のまま、何の細工も加えずに用ゐてある。即ち高梁の一部分を持ってきたものであるが、またその石工上杉儀一君は、是又高梁の産で、既に高梁の小生の歌碑を手掛け、日本一と小生が折り紙をつけた名工であって、石も石工も小生も皆高梁の産であって、三者競合してこの芸術作品を完成して居るといふところに深い意義がある。

―略―

この歌は仏さまを蕎麦屋まで誘い出して、一所に蕎麦を食べてをるともいふべき親近感を籠めて詠んだもので、「ありがたや」といって仏さまを崇敬すると同時に蕎麦のうまさを語って仏さまに近付いてゐるが、之は歌であるから出来るので、散文で書いたら、なかなか近付き難いのである。歌にはこのやうな徳がある。歌人は之を心得てゐて歌を大切に取り扱ふべきである。】

 


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