
半天は雲厚くあり 半天はわが朝顔の 花より碧し 比庵九十
深大寺・清水比庵展開催!!
平成21年11月26日ー11月29日
門前の蕎麦はうましと誰もいふこの環境のみほとけありがたや 比庵九十二
深大寺歌碑
東京調布市深大寺にある清水比庵の歌碑は、昭和49年比庵が主宰する短歌結社「窓日」四十五周年記念に建立された比庵92歳の生前最後の歌碑である。
比庵歌碑は全国処々にあるが、深大寺の歌碑は生活の本拠とした東京の歌碑として特別な思い入れの歌碑といえる。歌碑歌は深大寺を詠んだものだが、同時に深大寺の御本尊さまに「窓日」の将来を祈願する意味を忍ばせて「みほとけありがたや」と詠い、末永く拠標のようなものにしたいという、比庵の意気込みの強く表れた歌碑である。比庵の随筆を紹介する。
【作者の小生にしてみれば、之は小生の芸術作品の重要なる一つであって、歌も書も小生の芸術として天下に問ふとうふ意気込みを以ってつくったものであるが、歌碑の場合は、それに加えて、その材料の石と石工の技量とを揃えねば芸術作品とならぬ、その石はわがふるさと岡山県高梁山中にうもってゐた大石を自然のまま、何の細工も加えずに用ゐてある。即ち高梁の一部分を持ってきたものであるが、またその石工上杉儀一君は、是又高梁の産で、既に高梁の小生の歌碑を手掛け、日本一と小生が折り紙をつけた名工であって、石も石工も小生も皆高梁の産であって、三者競合してこの芸術作品を完成して居るといふところに深い意義がある。
―略―
この歌は仏さまを蕎麦屋まで誘い出して、一所に蕎麦を食べてをるともいふべき親近感を籠めて詠んだもので、「ありがたや」といって仏さまを崇敬すると同時に蕎麦のうまさを語って仏さまに近付いてゐるが、之は歌であるから出来るので、散文で書いたら、なかなか近付き難いのである。歌にはこのやうな徳がある。歌人は之を心得てゐて歌を大切に取り扱ふべきである。】
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