【エンドーすずり館 遠藤弘行さん】

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宮城県石巻市雄勝町に行ってきました。雄勝は良質の硯石の産地で、多くの硯職人が活躍していました。ところが、2011年3月11日の東日本大震災の時ツナミに襲われ、町の中心部が全が壊滅状態なりました。今は、町のあったことさえも分からぬほど雑草が生い茂っていました。

その雄勝で硯作りを続けている遠藤弘行さんを訪ねました。遠藤さんは、34年前父の後を継いで硯職人となりましたが、ツナミで工房も自宅も失い、親子二代で作ってきた約500点の硯や工具、材料となる雄勝石も流されました。
全てを失った遠藤さんは、雄勝を離れることも考えましたが、知り合いから工具や作業小屋となる物置などを譲り受けたり、ボランティアの人が近くの瓦礫の中から長いこと使っていたノミを探してくれたこともあり最低限の工具が揃い、震災から3ヶ月後にのみを手にして硯の試し彫りをしてみました。感触は戻ったものの1時間もしないのに肩が痛くなったそうです。週のうち5日間は市役所の臨時職員、土日に硯制作の生活が始まりました。

全て手作業で、しかも良質の固い「波板石」と言われる原石を使っての硯作りは、雄勝でも遠藤さんしか取り組んでいなかったので、顧客からの注文生産が主でした。「このまま放っておいて伝統工芸はすたれてしまう、雄勝硯の良さを後世に伝えたい」という思いを強くしていた頃にまとまった注文を受け、これを機に市役所の臨時職員を辞め、硯職人一筋の人生を歩むことになったそうです。

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  すずり館の前で 左・遠藤さん 中・斉藤葉子さん
           
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                     展示場で 
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斉藤さんがもっている本は、『検証・伊達の黒船』ー技術者から解く歴史の謎ー 須藤光興著平成14年6月29日発行 仙台・宝文堂(この本は瓦礫の中から見つけ出されました)
もし、お持ちの方がいらしたら、譲って頂けませんか?
     
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遠藤弘行さん作 表裏に彫刻された観賞用硯(虎と龍の眼には貝が象嵌されています)
雄勝町大須の喜昆布商店・阿部さん宅で拝見しました。



参考
日本の硯の材料産地は、山口県宇部市の赤間石、宮城県石巻市の雄勝石、三重県熊野市那智黒石山梨県早川町雨畑の玄晶石(粘板岩)等である。その中でも赤間石との雄勝石の二つは百年以上の歴史があります。

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